Navigating the Jagged Technological Frontier
Navigating the Jagged Technological Frontier: Field Experimental Evidence of the Effects of AI on Knowledge Worker Productivity and Quality
claude.iconこの論文では、知識労働者の生産性と品質に対する人工知能(AI)の影響について、以下のような大規模なフィールド実験の結果が報告されています。
世界的なコンサルティング会社BCGと共同で、758人のコンサルタントを対象に、AI (GPT-4) へのアクセスの有無による影響を調べた無作為化比較実験を実施した。
AIの能力には「ジャギー (でこぼこ) なテクノロジーのフロンティア」があり、AIが容易にできるタスクと現在のAIには難しいタスクが混在している。
AIのフロンティア内の18のタスクでは、AIを使うことで生産性が12.2%向上し、25.1%のスピードアップ、40%以上の品質向上が見られた。特に、もともとの能力が平均以下の人の成果が43%向上した。
一方、AIのフロンティア外のタスクでは、AIを使うと正解率が19%低下した。
AIをうまく使いこなすコンサルタントには、「ケンタウロス」のように人間とAIでタスクを分担する人と、「サイボーグ」のようにAIと統合的に連携する人の2つのパターンが見られた。
これらの結果から、AIは知識労働者の生産性を大きく向上させる可能性がある一方で、AIの能力を見極め、適切に活用することが重要だと述べられています。
nishio.iconケンタウロスとサイボーグのメタファーについて
claude.iconケンタウロスとサイボーグのメタファーについては、次のように説明されていました。
ケンタウロス的行動:
神話の半人半馬の生物になぞらえたもので、人間とAIが戦略的に役割分担して密接に連携する方法。AIと人間の強みを見極め、それぞれに適したタスクを割り当てる。AIのフロンティアの凸凹をよく理解し、タスクをAIと人間が得意な部分に細分化する。
サイボーグ的行動:
SFに登場するような機械と人間が溶け合った存在になぞらえたもの。人間とAIが緊密に統合されており、外からは人間とAIのどちらが行っているのか区別がつかないほど。タスクをAIと人間で完全に協働して行う。
論文では、AIを使いこなすためには、単にAIを導入するだけでなく、このようなケンタウロス的、サイボーグ的な新しい協働のあり方を模索することが重要だと指摘しているようです。この2つのアプローチの違いや、それぞれのメリット・デメリット、適した状況などについても、さらなる調査・分析が望まれると述べられていました。
なぜでこぼこに見えるかというと、人間の発達をベースに「これは難しい、これは簡単」という基準が作られているから 人間ではない知性に人間の物差しを当てるから凸凹に見える